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"da Vinci®"(Intuitive Surgical社、図)は主として胸腹部の手術を行う手術ロボットで、欧米をはじめとする全世界の中規模以上の病院に1000台以上が導入され、心臓外科、泌尿器科、一般外科領域を中心に既に3万例を超す手術実績があります。
日本では、da Vinci®は2000年に九州大学病院に導入され、消化器・総合外科(第二外科)および泌尿器科にて2001年から2009年の間に臨床治験あるいは先進医療として76例の胸腹部の手術(表)を行いました。最近ようやく厚生労働省から医療機器としての認可をうけました。
さらにCAMITでは2003年からda Vinci®を使ってのロボット手術トレーニングセミナーを行っています。本セミナーには、医師だけでなく、工学部の技術者や企業の開発担当の方々など、全国から120名の参加をいただきました。
da Vinci®を用いた手術症例 | |
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食道裂孔ヘルニア修復術 * | 2例 |
食道腫瘍切除 (癌1例、粘膜下腫瘍2例) | 3例 |
食道筋層切開術 | 1例 |
逆流性食道炎根治術 (Nissen噴門形成術) | 7例 |
幽門側胃切除術 | 2例 |
結腸切除術 | 3例 |
胆嚢摘出術 (胆石29例、胆嚢癌1例) ** | 30例 |
脾臓摘出術 (胃上部血行郭清術1例を含む) | 7例 |
鼡径ヘルニア根治術 | 2例 |
胸腺腫瘍摘出 | 1例 |
後縦隔腫瘍摘出 | 1例 |
巨大卵巣嚢腫摘出 | 1例 |
胸部交感神経切除 | 1例 |
前立腺摘出 | 15例 |
合計 | 76例(完遂74例) |
(2000年7月〜2009年12月 九州大学病院)
*:強固な癒着で1例開腹へ **:癒着と肝硬変のため1例開腹へ
da Vinci®には、最新の工学技術が駆使された「人間の目や手を超える能力」が備わっています。 すなわち、スコープを覗くと患者さんの体内を立体的に観察することができます。操縦桿を操作すると、その数倍の繊細さで患者さんの体内に挿入された鉗子が操作したとおりに動きます。したがって、開腹手術の感覚に近く直感的な手術操作をすることができ、結果として安全で確実な手術が実現されます。
いままでに肺がん、食道がん、胃がん、大腸がん、膵がん、前立腺がん、腎臓がん、子宮がんに対するda Vinci®を用いた手術が報告されています。このように、様々ながんを対象として最新の治療機器を利用した低侵襲のロボティクス医療が、21世紀になった現在、盛んに展開されてきています。
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